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日々、「腸」生活 4万人以上を診てきた腸専門医がみつけた腸にいいコツ 松生クリニック院長 松生恒夫監修

日々、「腸」生活 松生クリニック院長 松生恒夫監修

4万人以上を診てきた腸専門医がみつけた腸にいいコツ

毎日スッキリでる。たくさん食べても痩せる。肌がキレイになる。風邪を引かなくなる。

腸が整えば病気の9割は、防げる。

「腸が担っているデトックス機能」
腸は人体のデトックス機能を担っています。体外から侵入する食品添加物や残留農薬、汚染物質などの毒素の75%が便として排出されるのだそうです。
腸がきちんと機能していない場合、栄養素の消化、吸収が不十分になるだけでなく、体内に毒素を溜めてしまうことにもなります。排泄はそのような毒素(老廃物)を体外に出し、さまざまな全身の不調を防いでいるのです。

「アレルギー症状と腸内細菌には深い関係がある」
現代の日本人の3人に1人は、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状に悩んでいるといわれています。アレルギー症状と腸内細菌には深い関係があると判明してきています。アレルギー症状は、私たちの体を外部の病原菌から守る免疫の働きが過敏になることで起こります。近年、アレルギー疾患にかかっている患者さんの多くは、症状が出る前から腸内の悪玉菌が優勢であることがわかってきたのです。一方、善玉菌が多い人は、アレルギー疾患にかかりにくいという報告もあります。

「食物繊維の4つの働き」
食物繊維には4つの働きがあります。①保水性。水を含むという性質。②粘性。水に溶けるとねっとりとしたゲル状になる性質。血糖値の上昇を抑えたり、血中コレステロールを下げたりする効果があります。③吸着性。コレステロールや胆汁酸、食物の有害物質を吸着させて、便として排泄させます。④発酵性。食物繊維の一部は大腸に潜む善玉菌などによって成分が分解され、短鎖脂肪酸となります。

「病気は腸の健康を保って防ぐ」
体内に侵入した細菌やウイルスなどの病原菌、細胞の突然変異によって発生したがん細胞を攻撃して無力化させ、病気の発症や体の不調を防ぐ力が免疫力です。

「小腸は体の中で最大の免疫力をもつ」
小腸は私たちの身の周りのウイルスや細菌、病原菌から体を守る免疫機能を備えています。その免疫機能は、体の中で最大。口から入るさまざまな病原菌などから体を守ってくれています。白血球の一種で、免疫を担当するリンパ球という細胞があります。このリンパ球の60%以上が、小腸の腸管粘膜に集中しているのです。

「活性酸素は腸の寿命の大敵」
人間は、酸素を体に取り入れることで、酸化反応が起こります。たいていの場合、取り入れる酸素のほうがエネルギーを作り出す栄養素の量より多くなります。その多く取り入れすぎた酸素のことを「活性酸素」といいます。活性酸素は細菌などの外的を攻撃してくれ、免疫機能の一端を担っていますが、一方遺伝子を傷つけてがん細胞を作り出したり、血液中の悪玉コレステロールを酸化させて動脈硬化を起こしたり、心筋梗塞や脳卒中を招いたりしてしまいます。こうした活性酸素の悪い働きを抑制する必要があるのです。

「腸にも感情がある?」
うつ病やパーキンソン病の患者さんを診ている精神科医の間では、患者さんの中にかなりの割合で便秘の方がいることが知られています。脳が先か、腸が先かは現在の医学では解明されていませんが、両者には、関連性があり、個人的には腸にも快・不快のような感情が存在するのかもしれないと考えさせられます。脳で1%、腸で95%産出されているセロトニンが欠乏していると、うつ病やパニック障害などの症状を起こしやすくなります。

「トリプトファンを摂る」
ハッピーホルモンと呼ばれるセロトニンのもとになるトリプトファンを積極的に摂りましょう。セロトニンがきちんと分泌されていると、ストレスにも強くなるといわれています。腸管運動をアップするためにもセロトニンは、重要な物質です。

「粘膜を補修する「亜鉛」」
亜鉛は粘膜を補修してくれるミネラルです。腸内でも亜鉛は重要な役割を担っています。腸管粘膜が炎症などで傷ついた際に、その傷あとを補修してくれるのです。さらに、最近の研究によると、免疫力を維持、向上させる働きがあることも明らかにされています。

「マグネシウムには300以上の働きがある」
・マグネシウムには、腸管の働きをよくする作用があるほか、体温や血圧を調整する、筋肉の緊張をゆるめる、細胞のエネルギー蓄積・消費を助けるなど、生命活動を維持する酵素として300以上の働きを担っています。

「マグネシウムと便秘の関係」
マグネシウムには、便を柔らかくするだけでなく、お腹の中に溜まった残便を排出する効果があります。
また、体内酵素の働きを助け、基礎代謝を促進させたり、カルシウムを効率よく体内に吸収させたりする効果もあります。

「マグネシウム不足に効く食べ物」
ひじき、昆布、落花生、玄米、大麦、納豆、かき、カツオ、ホウレンソウ、干し柿、さうまいもなどが、マグネシウムを豊富に含む食品です。昭和初期まではこうした食材が日本食に多く使われていましたが、現在では食生活の偏りから日本人のマグネシウム摂取量が不足しています。

「マグネシウム不足がメタボや糖尿病の原因に」
メタボリックシンドロームは、最新の研究では食習慣の欧米化と、それによるマグネシウム摂取量の減少による可能性が指摘されています。大麦、雑穀などの穀物消費量が減少したことが、日本のマグネシウム摂取量減少の一因であるといわれています。